2人の兄弟の話〜発達障害と向き合って
ふたりの兄弟のはなし
私の知り合いの塾に、
2人の兄弟が入ってきました。
小学校4年の男の子。
小学校1年生の女の子。
小学校1年生の女の子は、甘えたがりで、
塾の先生にべったりなんだとか。
すぐに、
「先生」と呼んで、
手を握ってきたり、じゃれついて来たりします。
小学校4年生のお兄ちゃんは、
4年生にしては幼く、すぐに「わからない」といいます。
漢字の覚えも遅く、
「流れる」
や
「用事」
といった、
そこまで難しくない漢字も覚えられません。
有名な大手通販会社の、
通信教材を使っていたそうですが、
効果がなく塾へ。
ただし、塾でも、
あまり学力の改善は見られないそうです。
まだ、この段階では、
発達障害かどうか、見極められませんが、
この2人が、学習面で相当苦しむことは容易に想像がつきます。
まず、塾に入れれば、学力があがる、という親御さんの態度が気になります。
年間で何十万とかかる塾ですが、
1ヶ月でいうと、2万・3万のレベルです。
親が成績を上げられないのに、
塾がお子さんの問題をすべて解決してくれる。
そんな「甘え」が見られるんですね。
発達障害以前の話で、
子供はそれぞれ成長の速度があります。
だから、あれもこれも、と欲張るのではなく、
これだけはできていないと、後で困る、ということを学習させていかなければなりません。
塾に入れる場合は、とにかく先に進んでもらって、
中学に入ったときにできていたほうがいいものを、
先にやってもらうべきです。
私は、いろんな保護者さんを見てきて思うことは、
この2人の塾の方も言っていましたが、
子供の面倒を見なさすぎです。
人のせいにしたいがために、
塾に入れているのか??と思いたくなります。
そして、そういう親ほど、
自分の子供がおかれている状況がわかっていません。
子供はまっすぐには育ちません。
ぐねぐね曲がった成長曲線を描きます。
そして、いい保護者さんほど、
「子供にかわってほしいとばかり思ってましたが、
自分が変わらないといけない」
とおっしゃいます。
この塾の方はいいました。おそらく、この2人は、「塾やめるだろうね」そして、いろんな塾を転々として、「できない」という経験をたくさんしていくんだと思う。
と。
発達障害云々よりも、
発育の遅れというのは、何割かの子供ででてきます。
そのときに、「焦らない」。
そうしないと、発育の遅れ、だけではなく、
その子の心に自分はできない。
という思いだけが残ります。
すでに、小学校4年のお兄ちゃんの口癖は、「わからない」です。
「わからない」といえば、
誰かが教えてくれる、許してくれる、と思っているのです。
1・2年生ならいいですが、
これから高学年になる4年生が、これでは、
幼すぎますよね。
子供にあった、進度がある。
だから、1つできたら、喜ぶ。
これを意識してくださいね。