本人が一番つらい「起立性調節障害」の原因とは?
本人が一番つらい「起立性調節障害」の原因とは?
「起立性調節障害」は、立ちくらみになったり、疲れやすかったり、
また、朝が起きられなくなったりします。
疲れ、朝が起きられないという症状はどうしても、
本人しかわからないことなので、本人がサボっているように見られがちです。
しかし、自律神経というのは、成長期に乱れやすいので、
特別な病気ではないのが「起立性調節障害」です。
また、診断を受けていないだけで、
軽い立ちくらみ、疲れに、我慢しているお子さんもたくさんいるでしょう。
このページでは、「起立性調節障害」の症状を起こす原因について書いていきます。
結論からいえば、
「交感神経と副交感神経の連携がうまく取れていない」状態といえます。
例えば、
あなたが座っている状態から、立ち上がると、
重力の関係で、血液は下半身に流れようとしますよね。
一気に、下半身に血液が言ってしまえば、
脳や心臓に十分血液がまわらず、立ちくらみなどになってしまいます。
それを防ぐのが、交感神経の働きです。
下半身の血管を収縮させて、血液が下半身ばかりに行くのを防ぎます。
普通の人であれば、
これが瞬時にできるのですが、
成長期やストレスなどで、この交感神経と副交感神経の働きが鈍くなっている人は、この神経の働きが鈍ります。
だから、立ちくらみや疲れやすさ、を感じてしまうんです。
交感神経の働きも、副交感神経の働きも、
自覚できるものではありません。
「起立性調節障害」の厄介なところは、
診断が降りるまで、自分では判断がなかなかできないところです。
血液を循環させる機能が、低下しているともいえるので、
一番安定する横になる姿勢が増えます。
座っていても、できるだけ、寝る姿勢に近づけようとするため、
ダラッと机に上半身を預けるような姿勢になってしまいます。
これが、怠け者、サボっているだけ、とみられる原因になっています。
また、「起立性調節障害」の人は眠るのも苦手です。
一見すると、いつも眠そうで、土曜日日曜日などは気が付くと寝ている、
というような状態になっていそうですが、夜の「寝ないといけない」時に眠れません。
普通の人は、体のサイクルができてくると、
眠る前から、体が、副交感神経にスイッチし始め、
布団に入ると上手く眠りにつけます。
しかし、「起立性調節障害」の人は、
この神経の切り替えがうまくいっておらず、なかなか寝付けないのです。
そして、眠るのが遅くなるため、
- 朝起きられない
- 学校に行くのをしぶる
- 午前中あれだけ元気がなかったのに、午後から元気
という形で、
「時間にだらしない人」というレッテルが貼られてしまいます。
ただし、これは子どもの成長期だけの問題ではなく、
- 塾
- 夜ご飯の出てくる時間が一定ではない
- お菓子、ジュース、ファーストフードの多い食生活
なども、問題なんです。
塾に行くことが問題ではなく、
塾のある日、ない日、それぞれ同じようにしてあげてほしいんです。
塾のある日は、帰ってからすぐに食事。
ない日は、夕方19時に食事。
など、一定のリズムをつくってあげることが大切です。
特に、一定のリズムで平日は過ごさせる、ということがとても大切で、
夕ご飯が毎日違う時間に出てくる、
ファーストフードを食べさせて、家事を楽すると、
子どもに「起立性調節障害」が出やすくなります。
これは、私の経験からですが、間違っていないと思っています。
お父さん、お母さんの育児の仕方が、
お子さんの「起立性調節障害」を引き起こしているのに、
お子さんが怠けていると責めているケースが非常に多いです。
一定のリズムで、安心しながら、毎日の生活ができる。
これは、親であるあなたの仕事です。
- 子どもが朝起きられない。
- 子どもが午後だけ元気。
- 子どもなのに元気がない。
そんな症状が見られたら、
あなたの家のリズムを見直してみてくださいね。
お子さんの異変に気が付いてあげるのも、
親であるあなたの仕事です。