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塾に行けなくなった発達障害の疑いのある女の子の話

 

私の知り合いの塾の教室長から聞いた話です。

 

林香織さん(仮名)の話としておきましょう。

 

彼女は、短期記憶があやしく、また、椅子に座っても落ち着きがありません。
担当の講師が、少しでも離れれば、すぐに呼ぶか、座って待てずに動き出してしまいます。

 

また、授業中であっても、
友達がやってくる「音」を聞くと、
必ずその子を見ないと気が済まないらしく、
いきなり立ち上がって、教室から出ていきます。

 

 

疲れると寝てしまったり、
「性」を意識する言葉には過剰に反応するなど、
扱いづらさに教室全体が困っていたそうです。

 

例えばこんな話がありました。

 

彼女は、ケーキ屋を開くことが夢で、
その夢を、機嫌がいいときはいつも話していたそうです。

 

大きな声で話すので、
その子がいる時間帯にいる人は、講師も塾生の子どもたちもみんな知っていたそうです。

 

 

ある日、自習をしに、早めに塾に来た彼女に、1人の講師が声をかけました。
「ケーキ屋の夢っていいね」

 

おそらく、その講師は、話が弾むと考えたでしょう。

 

しかし、その子から返ってきた答えは、

 

「どうして、私の将来の夢を知っているの!ストーカー!?
はあ、キモっ。」

 

という怒りに満ちた言葉だったそうです。

 

その講師の人はびっくりしたそうですが、
冷静に、君が言ったんだよ、教室で。

 

と返したそうですが、

 

その子は、「自分の夢は話したことがない」の1点張り。

 

この件依頼、
その講師からも、それを見ていた生徒たちからも距離を置かれ始めたそうです。

 

こういった、自分の話したことを覚えていないということは、
重度の発達障害の子に見られます。

 

 

重度の、というのは、家庭がきちんと機能していない、という意味です。

 

 

自分が言ったことを忘れてしまうのは、
普通の人でもよくあることです。

 

 

でも、発達障害の子で、その症状が悪化している場合は、
今、その場で記憶が再構築され、自分に非があっても、それがわからず、
その子の頭の中で、記憶がねつ造され、時に、烈火のごとく怒ったり、悲しんだりします。

 

ただし、発達障害があっても、その症状がすべての人に出てくるわけではなく、
家庭の中がぎすぎすしていたり、子どもにとって家が安らげる場所ではない場合、発達障害の悪い面がひどく出てしまいます。

 

 

この子は、塾に来るたびに、母親の悪口を言うそうです。

 

 

この林香織さんの場合、
中学校2年生でしたが、時に、九九が言えなくなったり、
分数の足し算、引き算、通分などが行えないなど、
学習面に大きなつまづきがみられました。

 

機嫌がいいときはできるんですが、
ですが、機嫌が悪いと急に、痴呆症のように、できないことが増えてしまいます。

 

そんな状態なので、塾にいても成績は上がらず、
母親から、いったん、塾をやめさせるという連絡が入ったそうです。

 

 

その時、
教室にいた全員が、喜んだそうです。

 

しかし、その1か月後、
子どもが行きたいと言っているので、塾に戻りたいと連絡があったそうです。

 

でも、その子は、再びの通塾を断られました。

 

 

彼女の記憶力の低さ、集中力の低さをすべて、
塾のせいに母親はしました。

 

母親がしっかりした人、子供のことをよくわかっている人なら、
塾に通わせたと塾長は言っていました。

 

でも、親がダメなので、断ったそうです。

 

 

発達障害というのは、親の責任ではありません。

 

けれど、子どもがいやすい家であったり、
子どもの個性・適性を認めてあげるのは、親の務めだと思います。

 

 

それが果たせない場合、
塾に通わせるという普通のこともできなくなります。

 

 

こういった話もあるんだということを、
知っていただけたらと思います。

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