自分も他者も壊していくジャイアン型ADHDの名前の意味とは?
自分も他者も壊していくジャイアン型ADHDの名前の意味とは?
そこにある希望への願いとは?
ジャイアン型ADHDとは、
衝動性、多動性の優位型のことを指します。
ただ、これだけでは、イメージがわきづらいと思います。
ジャイアン型ADHDのことを、
自己正当化型ADHDともいい、自分は間違っていない、自分は正しい、そう思い込み、まわりを混乱させます。
要は、ジコチューな奴ということです。
ただ、それだとただただ嫌な奴、というだけですよね。
ジャイアン型ADHDと名付けたのは、
発達障害の専門家として名高い司馬理英子先生です。
アニメの中のジャイアンは、
普段は乱暴で、わがままで、どうしようもないジャイアンだけど、
でも、ピンチの時は仲間思いのいい奴。
って感じです。
本当はのび太のことも大事に思っています。
アニメのジャイアントは違い、
自己正当型のADHDの方は、とにかく嫌われます。
だから、
ジャイアン型ADHDの人でも、
きっと、名付けた元となったジャイアンのように、
わかってもらえる仲間に出会える、そんな願いが込められているように思います。
基本的に、ジャイアン型ADHDに関しては、
【正直、距離をおくか、離れたほうがいい】と考えられている場合がほとんどです。
ドラえもんをそれなりに見た方ならわかると思いますが、
ジャイアンは一見、乱暴者です。
わがままで、自己中心的で、
自分の下手な歌を無理に聞かせようとします。
自己正当型と呼ばれるADHDの子は、
本当によく命令します。
- 私が塾終わるまで待ってて。
- 絶対、○○して。
- これはこーして、あれはあーして。
と言います。
自分のしてほしいことだけを相手に求めます。
だから、どんどん、友達が離れていきます。
そして、気が付くと、同級生や年上の親しい人はいなくなります。
私の塾にいたジャイアン型のADHDの子は、
中学生でありながら、2つ下の小学生に声をかけ始めました。
それくらい、まわりから人がいなくなります。
でも、アニメの中のジャイアンは、乱暴ですが、
いざという時は、仲間を守るために行動できます。
ADHDの症状がジャイアンにはある一方で、
愛のある家庭で育っているので、
他人を思う暖かい心も持っているのがジャイアンです。
だから、ジャイアンには本当の友達と呼べる人がまわりにいるんです。
司馬さんが、
自己正当化型のADHD、衝動性・多動性が強いADHDのお子さんを、
ジャイアン型と命名したのは、「彼・彼女を理解する人がきっといる」という願いもあるのではないでしょうか。
なんとなく、ワンピースというマンガの、ロビンを思い出します。
誰も信じず、仲間などできないと思っていたロビン。
小さいときに悪魔の実(ワンピースの世界では、人を超えた能力を身に着けられるが、
海では泳げなくなるというデメリットがある)を食べたロビンは、
その影響で、友達はゼロ。理解してくれるのは、知識のある大人だけ、という街で生きていました。
ある日、ロビンが生きていた町は、
反政府組織があるとして、世界政府から狙われ、焼かれてしまいます。
そんな地獄から彼女を救おうとした世界政府の元軍人がいました。
巨人族のサウロという人です。
ロビンを逃がすときに、彼女にこう言い続けるんです。
「この世に生まれて一人ぼっちなんて事は絶対にないんだで」」
と。
ジャイアン型と名付けられたADHDの子の特徴を言い表していると同時に、
ここには、きっとわかってくれる人がいる、という願いがあるのではないかと私は思っています。
ADHDは、発達障害と日本では名づけられていますが、
Aということができない、
Bということができない、
といったわかりやすいものではありません。
ADHDだけど、まわりに迷惑を全くかけない人、親の手がかからない人もいます。
逆に、
ADHDだとはっきりわかり、まわりにどんどん嫌われていく人もいます。
そんなADHDの特性というか、キャラクターを現したのが、
のび太型ADHDと、ジャイアン型ADHDです。
のび太はいつもジャイアンに押さえつけられますよね。
ジャイアン型ADHDの方は、常にだれかを従わせようとします。
従ってくれる子を常に探しています。
でも、それは、健全な人間関係を築く方法とは言えませんよね。
一方的に、自分の思いを押し付けるだけの関係は、
それは、健全な人間関係とは言いません。
だから、このジャイアン型のADHDの方に関しては、
【基本的に関わらないようにしましょう】
子どもであれば【こういう子に近づかないように見守ってあげましょう】と言われます。
ただ、それしか道がないのは、すごく悲しい、寂しい考えですよね。
でも、実際にジャイアン型ADHDの子を見てきた私が、
自分の子どもにどういうアドバイスをするか・・・・
そんな子には近づくな・・・・
だと思います。
そんなジャイアン型ADHDの子でも、
正しい治療と、知識、そして、自分の特性に気づき、自分を改善させる気持ちがあれば、
ジャイアンのように、仲間と呼べる人にも出会える。
そんな願いが、この「ジャイアン」という名称にはあるんじゃないか、と私は考えます。
何歳からでも、
発達障害は自覚と知識があれば改善できると私は考えています。
その一助に、このサイトを利用してください。