管理人からのお知らせ

発達障害を認めること、それは、二次障害を防ぐこと。

 

私が塾講師をしていて、
驚いたことがあります。

 

 

それは、

 

この子、しゃべるの遅かったんですよね、

 

とか、

 

軽度の知的障害かもしれない、

 

とか、

 

 

実は過去に言われたことがあった・・・・というお子さんほど、
いいお子さんの場合が多かったんです。

 

 

もちろん、ダメなケースもありました。

 

 

この、実は小さいころに、
発育が遅れていたり、
発達障害かもしれない、
そんな風に言われたお母さんの取った行動に秘密がありました。

 

 

それは、

 

  • 発達障害について勉強した。
  • 自分の子どもへの接し方を改めた。
  • 最悪のケースを考えていた。

 

 

の3つです。

 

 

発達障害は、親の関わり方、接し方で、
小さいうちなら、かなりの確率で改善します。

 

つまり、勉強して、
発達障害のお子さんにいい接し方をすることで、
お子さんの脳の発育や、心の発達に大きくプラスの影響を与えたんです。

 

 

そして、
最悪のケースを想定した。

 

というのは、私のこちらの記事でも書いたように、
もし、こうだった場合、こうしよう、という覚悟が親御さんにあったんです。

 

 

発達障害のお子さんを持ったら、
知っておきたい3つのこと。

 

その3・最悪を想定する

 

 

 

子どもにとって、
やれるだけのことをする。

 

 

でも、できなかったり、子供がいじめられたりしたら、
最悪、こういう方法を取る。

 

 

そこまで、考えていたんです。

 

 

そこまでの準備があるから、
発達障害があっても、改善できますし、
私が会ってきた子たちは、小さい頃は発達障害の疑いがあっても、
中学生以上になるころには、他のお子さんよりも明らかに立派に育っていました。

 

 

もちろん、

 

性格的にも、
学力的にも、

 

です。

発達障害で怖いのは実は、二次障害なんです。

発達障害の二次障害の症状

 

 

 

まずは、他の人にはない癖ではありますが、
自分の中でストレスを解消しようとしているものを紹介します。

 

 

チック
(まばたきチック、頬しかめチック、首チック、上肢チック、腕チック、貧乏ゆすり、
音声チック、咳チックなどがあります。)
抜毛癖
(自分の毛だけではなく、眉毛、人形の毛、ペットの毛もこれに入ります。)
爪かみ
性器いじり

 

 

これらをやめさせても、
べつの癖が出てくるため、
やめさせることよりも、彼らがストレスに弱いという特性があることを理解してください。

 

 

この次の段階になると、

 

 

頭痛
腹痛

 

 

といった、自律神経失調症が見られるようになります。

 

発達障害のお子さんはストレスに弱いので、
癖などで、ストレスの発散ができないと、今度は自律神経をやられます。

 

お子さんによっては、皮膚があれたり、耳などの彼らがよく手でかく場所が膿んできたり、
体や顔の一部が赤く腫れ、すこしただれたようになったりもします。

 

この次の段階に行くと、

 

 

元気がないことが多くなる
無気力
イライラ
不機嫌
怒りっぽくなる

 

 

無気力なくせに、少し干渉すると、同じ人間とは思えないほど怒り出したり、
さっきまで、元気にしていたかと思えば、急に元気がなくなったり。

 

 

とにかく不安定になります。

 

この時期に対応を誤ると、
不登校になったりします。

 

 

さらに、ここまで症状が出ているのに、
それは、本人のやる気のせいだとして、怒りすぎると、
大人に対して、反抗的・挑戦的になります。

 

動物をいじめる。
弱い子をいじめる。

 

 

それでは済まず、

 

万引きや窃盗といった非行に走ることもあります。

 

こういうADHDのお子さんを叱りすぎて、
反抗的な態度になり、非行に走るというループを、

 

「DBDマーチ」と呼びます。

 

 

 

親への反発と自尊心の低さ、
そして、多動性と衝動性が最悪の方向に絡んでいくと、

 

 

犯罪、にまで及びます。

 

 

 

ADHDとアスペルガー症候群では、その犯罪の種類に違いが見られ、

 

ADHDの子の場合は、集団でカッとなって、
アスペルガー症候群の子の場合は、単独で同じ犯罪を繰り返す。

 

のだそうです。

 

 

ただし、発達障害があるから、犯罪者になるわけではありません。

 

発達障害を見過ごされ、親がきちんと関わっていなかったお子さんが、犯罪を犯してしまうんです。

 

『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』
(星野仁彦 幻冬舎 2011年3月30日)

 

その142ページにこんな記述があります。

 

 

アメリカで刑務所に入所している犯罪者を調査したところ、彼らの50〜70%にADHDとアスペルガー症候群が認められたのです。とはいっても、障害があったから、犯罪に走ったのではありません。障害に気づかれず、健常者と同じような扱いを受け、叱責されたり、いじめられたりしたことが原因です。
一方で、幼い頃から親が障害を認め、治療を受けた子どもたちは犯罪者になる確率が低くなります。

 

 

 

とあります。

 

ですが、悲観することはありません。

 

 

これを防ぐ方法がきちんとこの本に載っています。

 

少し長いですが、
P137ページの引用です。

 

 

親が子どもをあたたかく見守り育てることで、子どもの自尊心を育て、ストレスに弱い発達障害児の心を強くし、ダメージからの回復を早くするのです。
(中略)
このことは、情報をオープンにしている割合が高いほど理解が得られ、二次障害を防ぐ可能性が高まることを示唆しています。ただし、地域別、小中高別などで差があり、失敗談も語られるなど、障害をオープンにするにあたっては慎重に対応する必要があります。
いずれにしても、親が子どもの障害に早く気づき、それを否認するのではなく、ありのままに受け入れることが、発達障害の子どもの二次障害を防ぐ要因となることは確かなのです。

 

 

お子さんのために、お父さん、お母さんが変わろうとできるなら、
発達障害は改善できますし、二次障害を防ぐことは可能なんです。
このことをしっかり頭に入れておいてくださいね。

 

 

 

お子さんの特性を認めてあげる。
それが、親の仕事、なんだと思います。

 


管理人からのお知らせ