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縦の糸は学力、横の糸は環境

 

昔、聖者の行進というドラマがありました。

 

 

その主題歌に採用された中島みゆきさんの「糸」という歌の歌詞をちょっといただきました。

 

 

あのドラマは野島伸司さん!っていうドラマだったと思います。

 

 

人の善意や優しさがクライマックスに向けてどんどん否定されていく中、
最後の最後に人の優しさを見せた竹上。

 

 

人の心とは何か?をいろんな意味でえぐった作品だったと思います。

 

役者さん、本当にうまかったですね。

 

段田さん、
石田さん、
安藤さん、
広末涼子さん、

 

いろいろあった方もいましたが、私は名作ドラマだったと思います。

 

 

それはさておき、今回は、縦の糸と横の糸の話です。

 

 

中島みゆきさんの歌の縦の糸というのはその人がこれまで生まれ、生きてきた時間。

 

 

横の糸というのは、人との出会いのことをいうのかなと思います。

 

 

私は最近、お子さんの成長というのはこの縦と横を意識しないといけないなと思うようになりました。

 

 

縦というのはお子さん自身の成長を促していくことです。
お子さんの能力を伸ばす、学力を伸ばす、人間性を伸ばす。

 

これらが縦の意識です。

 

もちろん、子どもなんて思ったように伸びてくれはしないので、
親にできることはきちんとお子さんの土台を築いてあげる、ということぐらいだと思います。

 

 

それでも、食事、睡眠、親子の関係をきちんと学んでいくことで、
土台からほかのお子さんに勝てるようになり、差がつくようにはなります。

 

 

今、大学受験が激化している中、土台からほかのお子さんに勝てるというのは一つ大事なことだと思います。

 

 

大学受験にしても、入りたい企業にしても、
その年、その年代の枠は決まっています。

 

 

そこを取り合う以上、競争は避けて通れません。

 

 

また、ビジネス書などで、一時期、しきりにブルーオーシャンという言葉がはやりました。

 

 

競争のない場所で稼ぐということを波の穏やかな広い海とリンクさせた言葉で、
反対の言葉はレッドオーシャンになります。

 

 

もちろん、起業してひとりでやるとして、ブルーオーシャンを目指すわけですが、
競争のない分野というのはほとんどないと思います。

 

 

アマゾンやグーグルであっても、競争相手はいるわけです。

 

 

企業で勤めるにしても、
ひとりで稼いでいくにしても、

 

 

自分の能力をアピールする必要はありますし、この部分ではライバルより上、というものを目指さなくてはいけません。

 

 

といっても、本を読んだりする大人は少ないので、
きちんとやればだいたい勝てますが。

 

 

プロ野球とか一部の天才たちが争うものでなければ、きちんと努力を重ねれば、
ある分野、特定の世界でそれなりの成果を出せる人間にはみんななれると思っています。
(それを望むかどうかはおいておいて)

 

 

きちんと能力を上げていくというのは、当たり前ですが基本となります。

 

 

でも、その一方で、横の糸を意識していないといけない事態もあります。

 

 

たとえば、私のいる塾のエリアではトップクラス、オール5の成績であっても、
大きな道路をまたいだ向こうのエリアのお子さんのオール4と同じ能力というのはよくあるんです。

 

 

特に所得層が平均して高いエリアは公立であっても学校のレベルが高くなります。

 

 

小学校と中学校のレベルが上がりやすく、中学校の3年生で高校1年生の内容を教えているところもあります。
高校1年生の内容を教えて、高校受験の時に1秒でも1分でも高校の知識をつかって素早く解くためです。

 

 

そして、これがあるので、高校に行った時に、
私のいるエリアのお子さんと向こうのエリアのお子さんだと差がつきます。

 

 

私の塾があるエリアの中学校でトップ20くらいに入るお子さんでも、高校に行けば真ん中くらいになります。

 

 

どの高校に公立高校に行っても、真ん中くらいかその下です。

 

あえて、自分の実力よりも1つ、2つ下の高校を選ばなければ、そうなります。

 

 

私の塾があるエリアは教育感度は低めです。
だから、成績上位のお子さんたちは塾で先に授業の内容を学び、授業を受けることになります。

 

 

教育感度の高いエリアはもちろん、塾で先に内容の予習をするのですが、
授業の内容もレベルが高く、入試実践講座のようになっています。

 

 

塾でも学び、学校にいる6時間も学んでいる。

 

 

それに対して、教育感度の低いエリアだと塾なら勉強ができるけれど、
学校はうるさくて勉強どころではない。我慢して席にいるのが精一杯ということになります。

 

 

3年経てばこの差はとてつもなく大きくなります。

 

 

高校受験まではほかの塾にいた生徒さんが、高校になって赤点ばかりになったといって私の塾に来ました。

 

 

その生徒さんは、中学では4か5しかない優等生。

 

 

行った高校も少しレベルを下げての受験でした。

 

 

それでもついていけない。

 

 

結局、その生徒さんは高校料金(少し高め)を払いながら、
赤点を取らないためだけに私の塾に2年以上通ってくれました。

 

 

結局、大学は中学時代にオール3あれば入れる私立高校の附属大学。

 

 

卒業が危うかったので、
本当に高校3年のときも、赤点脱出のためにほとんどの時間が割かれました。

 

 

その生徒さんが高校受験時も、私のところに来てくれていれば違う選択肢があったと思います。

 

 

大学自体は楽しいそうなので良かったとは思いますが、
ご家庭にしてみれば高校を卒業するためだけに高い塾の費用を払っていたわけです。

 

 

この塾のおかげで、ほとんどの教科で赤点だったのがなくなりました〜。

 

 

と本人や親御さんには言っていただきましたが、私としては複雑な気分でした。

 

 

このお子さんであれば、私のおすすめする方法で私立高校に行かれれば、
不平不満しかなかった高校生活がまた別のものになったかもしれない。
(その場合は私の塾とのご縁はなかったですが)

 

 

そんなケースもよく経験します。

 

 

親御さんも本人も成績が悪いのは自分が努力していないせいで、自分たちが悪いと思っています。

 

 

それは半分くらいはそうかもしれません。
でも、生まれた場所、生まれ育った教育環境というのものに、目にはなかなか見えませんがとても大きな影響を受けているんです。

 

 

みなさん、縦の糸ばかり気にします。

 

 

もちろん、大事です。

 

 

だけど、縦の糸以上に大事だと思うのが横の糸なんです。

 

 

どんな場所で小学校の6年を過ごすか、中学校の3年を過ごすか、高校の3年を過ごすか、大学の4年を過ごすか。

 

 

本当に大きいです。

 

 

確かに失敗してもリカバリーはできます。
できますが、けっこうな時間を失います。

 

 

 

人間万事塞翁が馬ですから、何が良いことのきっかけになって、何が悪いことのきっかけになるかはわかりません。

 

 

 

それでも、きちんと横のつながり(お子さんが学ぶ環境)を意識することで、
ただただ赤点を回避するために塾に行く、ということを避けることができるかもしれません。

 

 

それはそれでそのお子さんに必要だった縁かもしれませんが。

 

 

 

 

ほとんどの親御さん、お子さんは自分の縦の糸、成長のことばかりを考えます。

 

 

それは大事ですが、実はどういう場所、環境で勉強しているか、成長しているかというのはもっと大事なんです。

 

 

本当なら10まで伸ばせた能力が、8までしか伸ばせない環境にいるかもしれないんです。

 

 

ぜひ、縦の糸(自分の学力)と横の糸(学んでいく場所・環境)。

 

 

この2つを意識してくださいね。

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