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『女性のADHD』のレビューと感想

 

『女性のADHD』のレビュー

 

『女性のADHD』
監修・宮尾益知
講談社 2015年12月10日

 

監修にあたっている、
宮尾益知氏は、ADHDに限らず、アスペルガー症候群など、
発達障害全般に通じている先生です。

 

どんぐり発達クリニックの院長でもあるそうです。

 

私自身も、たくさんの本や、たくさんの子供と出会う中で、
女性の発達障害と男性の発達障害は、少し違うなと感じていました。

 

この本では、そのことがよくわかります。

 

見開きの図のようになっているので、
モデルケースのAさんの成長物語を軸にしながら、

 

女性のADHDが何に困り、
どのように治療して、改善していき、社会に出ていくのか。

 

 

その流れがよくわかる1冊になっています。

 

これで、定価1300円(税抜き)は、安すぎますね。

 

『女性のADHD』はどんな本??

 

講談社から出ている健康ライブラリーシリーズで、
見開きのイラストが非常にわかりやすい1冊です。

 

しかも、ただ、単純に、女の子のADHDはこうですよ、
と、解説を並べるだけではなく、Aさんという1人のケースを紹介しながら、
幼児期〜社会人となるまで、どんな経緯をたどって成長していくのか、がわかりやすい1冊になっています。

 

 

 

 

成長する中で出会う困難、
女性のADHDならではの悩みと治療をしても、その過程で出てくる「壁」の話など、
ただ、薬を飲むだけでは解決できない、ADHDの治療のリアルを知ることができます。

 

入門書ではありますが、
深いところ、細かいところまで手を抜かずに書かれている本です。

 

 

この本のいいところを3つにまとめていきます。

 

 

わかりやすい

 

このような、見開き1テーマなので、
内容が非常に伝わりやすいです。

 

親子で読めるようにとおそらく、配慮されているので、
活字を読むのが苦手なお子さんとも一緒に読む(見る)ことができます。

 

 

具体策が豊富

 

社会に出たADHDの方が、
親になったADHDの方が、
ADHDと気づき始めた方が、

 

いったい、どうすればいいのか?

 

 

わかりやすい入門書でありながら、
女性のADHDの方がぶつかる問題に、
「こうしたらいい」という処方箋をサラリとくれます。

 

 

こんなことで悩んでいます。

 

だけじゃなくて、

 

こうすると、その悩みを解決、もしくは、軽減できるという事例がたくさんあります。

 

 

完璧じゃなくていい

 

私は日々思っているんですが、
子どもの成長というか、人の成長は凸凹があって当たり前。

 

 

なのに、発達障害の改善本は、

 

こうしましょう!
ああしましょう!

 

と、ちょっと肩に力が入ったメッセージも多く、
読んでいて、こちらがつらくなることも。

 

でも、この本のメッセージは、「完璧じゃなくていい」
とあります。

 

「ふつう」か「ADHD」ではなく、
「ふつう」の人にもできないことがあり、
「ADHD」の人にもできることがある。

 

それを理解して、
今何をしていくかを探していく。

 

そんな、メッセージがあります。

 

〜じゃなければならない

 

というのは、本人もまわりもつらいんですね。

 

これくらいできればいい、そこから始めてみましょう。
そんな暖かいメッセージがこの本にはあります。

 

 

「女性のADHD」のデメリットは??

 

 

治療の中心が「薬」となっていることでしょうか。

 

薬は、症状を改善する1つの手段ですし、
よく効く人もいれば、効かない人もいます。

 

本来は効く人でも、成長期の時期などで、効きにくい、
効き目が見えにくい場合もあります。

 

薬が効かなかったら、
もう一生治らない、なんて思いこんでしまう人がいると、それは少し違うな、と思います。

 

 

発達障害の改善、支援にはいろいろな方法がありますので、
当サイトを参考にして、
「情報を集め続ける」こと、「絶対に諦めないこと」を知ってもらえたらと思います。

 

 

購入して良かったことは??

 

 

宮尾先生という素晴らしい理解者が、女性のADHD・アスペルガー症候群の分野にいてくださるということです。

 

 

それを知ることができるだけで、
この本の価値以上のものが得られます。

 

 

もちろん、内容も、「女性のADHD」の教科書とも呼べる内容で、
読みやすい本でありながら、治療の指針やADHD、発達障害でも大丈夫だという勇気をもらえる本です。

 

 

また、異性関係にも言及しているので、
大人の発達障害の方にも、参考になる部分が多いと思います。

 

 

女の子の発達障害。
女性の発達障害。

 

 

本人はもちろん、周りの方にもぜひ、読んでおいてほしい本です。

 

【詳細はこちら】

女性のADHD [ 宮尾益知 ]

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