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『マンガでわかる大人のADHDコントロールガイド』のレビュー&感想

 

『マンガでわかる大人のADHDコントロールガイド』のレビュー&感想になります。

 

タイトル『マンガでわかる大人のADHDコントロールガイド』
著者 福西勇夫 福西朱美
出版社 法研
発行年 2015年11月25日

 

子どものころは、ちょっと変わった子。
ちょっと迷惑な子。

 

でも、なんとかなった。

 

けれど、大人になって、上手く生きられなくなった。

 

上司が変わって、
同僚が変わって、
配置転換で、

 

生きづらくなった。

 

そうやって、やっと、心療内科医を受診して、
ADHDだと気が付く人が増えているそうです。

 

今、ちょうど30代前後の方は、
子どものころは、発達障害という言葉がまだあまり知られておらず、少しずつ知られてきた今、自分がそうだと気づいていくケースが増えているようです。

 

 

今、大人になってADHDだと気づき始めた人。
今、お子さんがADHDでしっかり治療しないとどんな未来が待っているのか気になる方。

 

マンガでわかりやすい、
ADHD(発達障害)の教科書といえる本です。

 

 

では、いいところを3つにまとめます。

 

 

マンガ

 

 

この本は、マンガ中心で書かれていることが、
最大のわかりやすい点です。

 

これは、もしも、ADHDの方がこの本を読んだときでも、
読みやすいようにマンガで書かれています。

 

 

もちろん、マンガだけだとページが割かれすぎてしまうので、
大事なことやコラムなどは、文字で書かれたりしています。

 

また、子どもで困るケース、大人で困るケースがたくさん載っているので、ADHDはこんなものですよ、と言われるよりも、
思い当たるケースがわかりやすい本です。

 

 

それでも

 

あなたのADHDがたとえどんなものであれ、
発達障害による悪循環は改善できる!

 

そういうメッセージをあたたかく伝えてくれる本です。

 

発達障害の方、ADHDの特性が強く出てしまう方は、
環境への適応で困ったり、自己肯定感が低くなってしまい、
うつ、不安症、精神疾患を合併してしまうことがあります。

 

そして、その精神疾患のせいで、また、生活に支障がでる、
そんな悪循環をしてしまうことがあります。

 

その悪循環を断って、
実力を発揮できる楽しい生活を送ってほしい。

 

そんな筆者のあたたかなメッセージが伝わる本です。

 

強み

 

発達障害、ADHDやアスペルガー症候群の本の多くが、
発達障害とは何か?
ADHDやアスペルガー症候群の方が不得意なことは何か。
治療方法はこんな薬を飲むで終わってしまいます。

 

 

ですが、この本は、
発達障害を持っている方がその『強み』を発揮するケースも、
多数紹介しています。

 

 

それは、『得意なことに目を向けましょう』という理想論ではなく、できないことがあれば、できることがあるという現実論だと思うんです。

 

例えば、目の見えない人が、耳がよく聞こえるようになるのと同じように、できないことがあるというのは、何かの能力がずば抜けている可能性があるんです。

 

そこに、目を向けてほしいという筆者の想いが伝わります。

 

そして、私がこの本で最も好きなのが、
ここの部分です。

 

ぜひ、あなたの目で確かめてください。

 

 

デメリットは??

 

やはり、お医者さんのかかれている本なので、
治療のメインが薬になっていることと、
社会でのスキルトレーニングがメインになっていることでしょうか?

 

 

この記事で書かせてもらいましたが、
本という形では書けないこともあります。

 

 

 

 

その部分は少し弱いかなと思いますが、
そこまで書いてしまうと、本ではおさまらないので、仕方ないところです。

 

それに、本当に、近年出た、発達障害に関する本では、
絶対に読んでほしい本という評価はかわりません。

 

 

買って良かった??

 

 

絶対、発達障害に悩んでいる人に読んでほしい本です。

 

この本の、最後、P187の最後のマンガの部分にこんなメッセージが書かれてあります。

 

 

もっと早く気がついて治療を始めていればよかったなあ・・・・
ADHDの特性を持っているとわかったら、できることはたくさんある
しかも簡単なことばかり
もしかしたら・・・・
自分だけじゃないのかもしれない
気づいてないけどADHDの特性を持っている人は
もっといるのかもしれない
みんなそれぞれ困ったり、悩んだり
どうにかするために試行錯誤したりしているのかもしれない

 

 

私はこのシーンを読むたびに、
なぜか、目の奥が熱くなります。

 

この本の奥に流れているあたたかな想い。
もっともっと早く発達障害の勉強をしていれば、助けてあげられたかもしれない子供たちのこと。
生きづらさをかかえて、その原因がわからず苦しんでいる目の前の子どもたち。

 

あたたかくなる気持ちと、
なんともできないやるせなさと、私はこの本を読むとそんな感情が胸の奥から湧いてきます。

 

言葉にするのは難しいんですが、
どんな形であれ、自分が今できるそんな人たちの力になれることをする。

 

そう決意させてくれる本です。

 

ADHDで困っている。
ADHDのまわりで悩んでいる。

 

そんな方に、まずは読んでほしい本です。

 

マンガでわかる大人のADHDコントロールガイド [ 福西勇夫 ]

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