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『脳はバカ、腸はかしこい』レビュー<日本で発達障害が増える理由がわかる1冊>

『脳はバカ、腸はかしこい』レビュー

<日本で発達障害が増える理由がわかる1冊>

 

 

著書データ
タイトル:『脳はバカ、腸はかしこい』
著者:藤田紘一郎
出版社:三五館
発行年:2012年11月4日

 

まず、この藤田紘一郎先生ですが、
東京医科歯科大学の名誉教授であり、
寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学の先生です。

 

そして、タイトルにもあるように、
ちょっと変わった、そして、パワフルな先生です。

 

発達障害の治療なり、改善方法が、
まったく前進しないのは、発達障害の相談を「精神科」や「心療内科」に任せすぎだからです。

 

「うつ」を治すのに、薬ではなく、食事の改善がよい、
というのはここ最近で一気に広まっていると思います。

 

そのようなタイトルの本は、最近、続々出ています。

 

 

しかし、発達障害を治すなら食事から!という本は、
残念ながら、まだまだ、出ていません。

 

この本も、『腸を鍛えたら脳がよくなった』というサブタイトルがつけられていますが、
直接、発達障害と食事をつなげたタイトルではありません。
まあ、この本の場合は、発達障害について書きたいわけではなく、本当に、脳と腸の関係について、言及しているので、これについて書くのは、本当はおかしいわけです。

 

だけど、体と心がつながっていること、
脳に栄養を送り込むのは腸であり、だとすると、脳と腸も密接に結びついているのは当然。

 

ということは、私達が食べるものは当然、私達の体と脳に関係しており、
それは、こころとつながっていると考えるのは当然です。

 

この藤田先生の本は、
脳と腸について、これでもか、というほどのいろいろなことが紹介されています。

 

 

全部、書きたい!

 

 

でも、書いてしまうと、それは、レビューではなく、
ただの本の内容を無許可で書いてしまうことになってしまう。

 

 

ジレンマですね。

 

 

というわけで、帯に書いてあることを紹介しましょう。

 

 

 

これなら、帯ですから、手に取った人が見るもので、怒られないはず・・・・

 

 

画像にもありますが、
言葉に直すと、こんなことが書かれています。

 

  • 意志薄弱で偏見まみれ、うぬぼれ屋の脳
  • 大食いによって癒される脳、壊される腸
  • 腸を整えると、トキメキ&ドキドキの恋愛が長続き

 

といったところです。

 

 

藤田先生のこの本を読んだ後、
この帯を改めて読むと、私はため息が出てくるほど、感動します。

 

 

そして、納得したんです。

 

 

発達障害とは、脳のダメなところが出てしまっているのだと。

 

私は発達障害になってしまうのは、脳の成長が阻害されているとばかり思っていました。

 

そうではなく、本来はそこまで必要ではない部分が、肥大化してしまうこともある、
というのを、友田明美先生の本『子どもの脳を傷つける親たち』で知りました。

 

発達障害のお子さんは、意志が弱いです。
偏見も多いです。これってこうやんな、世の中ってああやんな、という決めつけがひどい。
そして、うぬぼれ屋です。
今まで、きちんとした努力をしていないのに、この高校に行きたい!などと、夢のようなことを言います。
それから、異性にそこまで興味がない。

 

脳と腸の関係が上手くいっていないと、
発達障害になってしまうというのは、本当だと改めて感じました。

 

 

そして、この本を読んで新たな学びを得たのは、
帯の最後です。

 

生物と腸との歴史は40億年、脳とはたった5億年

 

5億年でも相当すごいとは思うんですが、
まだ、腸と脳は、お互いのバランスを上手く取れていないんですね。

 

 

それは、ビジネス書を読めばわかります。

 

経済は感情で動く

 

という内容の本が昔売れましたが、
この本のとおり、実は、人間は合理的な判断を常にしているわけではないんです。

 

行動してから、後で、言い訳をするんです。

 

体に悪いとわかっていても、甘いものを食べた時、
私達は、これはいつも頑張っている自分へのご褒美、といって、言い訳したりしていませんか?

 

 

それはまだまだ脳というのは未熟であり、
人間というのは自分の脳を使いこなしてはいないということであり、
人間は進化の中で、大人になることを捨てた、という生物の進化の話にもつながります。

 

 

私達は心のどこかで、
自分たちには素晴らしい脳があるから、
間違っていたら、きっと、脳が間違っていると教えてくれる、みたいに思っていませんか?

 

脳があるから、本当に間違った判断はしないだろう?
みたいに思っていませんか?

 

 

けれど、この本を読めば、
脳によって、間違った判断をさせられる、ということに気がつきます。

 

 

そして、その間違った判断を続ければ、
その人たちが親になり子を産み、その子も間違った判断を真似して続ける。

 

 

こうして、発達障害の人が増えているとすれば・・・・

 

 

怖い話だと思いませんか?

 

 

そんな間違いだらけの判断をくだす脳と、
その脳の働きを唯一、止められる器官である腸の話が、わかりやすくまとめられています。

 

 

これほど素晴らしい内容を1200円の定価で売っちゃうからダメなんですよね。
この本は1000円くらいの価値かってなるんで。

 

この内容なら、5000円、1万円してもおかしくない内容です。

 

この本の言う脳がよくなる、というのは、
自分で自分をコントロールできる、ということだと私は考えます。

 

発達障害のお子さんは、
何かに振り回されているかのように、動き回ったり、
お菓子のことで心がいっぱいになったり、よくわからないことで心がいっぱいだったりします。

 

それはおそらく脳に振り回されている状態なのでしょう。

 

それをまずは防ぐこと。

 

ここが発達障害のお子さんの症状を改善させる一歩だと私は思います。

 

脳と腸の関係。
それはいったいどういうことなのか。

 

 

それが、この1冊でわかります。

 

 

この本の3つの特徴。

 

 

1、引用

 

藤田先生の力強い文章に引き付けられるんですが、
きちんとした国内、国外の研究がたくさん引用されています。

 

藤田先生の独自の理論ではなく、
きちんと研究されたうえでわかっていることを、きちんと説明してくれています。

 

どうして、こんな大事な事実が、
きちんと私達に公表されていないのか、怒りが湧くレベルです。

 

 

2、わかりやすい

 

藤田先生の実体験と、
論理的な説明の部分と、
すんなり頭に入ってきます。

 

これって、意外とすごいというか、

 

個人的な話ばかりだったり、
難しい話ばかりで読みにくかったり、

 

そういう部分がこういう本では多いんですが、
藤田先生の本は、わかりやすく、すんなり書いてあることが頭に入ってきます。

 

3、法律

 

最後の海外では、たくさんの食に対する規制があるのに、
日本にはない怖さがあります。

 

208ページ以降の法律例をみると、

 

2011年10月デンマーク「脂肪税」
2.3%以上の飽和脂肪酸を含むものに、課税。
2012年1月デンマーク「チョコレート税」
お菓子、アイスクリーム、ジュース、ビール、ワインなどの税金の引き上げ。
2011年9月ハンガリー「国民健康推進税」(通称ポテトチップス税)
スナック菓子、ジュースに課税。
2011年12月フランス「通称ソーダ税」
砂糖の入っている炭酸飲料水に課税。
また、アメリカや韓国などの諸外国では、トランス脂肪酸の表示が義務付けられているとのこと。

 

日本で、爆発的に、発達障害のお子さんが増えている理由が、
ここから見えてくるのではないでしょうか?

 

課税や法で取り締まる仕組みは確かに欲しいですが、
いつになるかわかりません。

 

私達自身で自衛しなくてはいけない、という事実がここから見えてきます。

 

 

デメリットは??

 

もう売ってない、ということでしょうか(苦笑)

 

おそらく、この本をふらりと寄った本屋で見ることは、
ほとんどないと思います。

 

 

ネット通販などでしか、手に入らない、ということがデメリットでしょうか。

 

あと、藤田先生が少し変わっているので、
キャラクターが受け付けないという人がいるかもしれません。

 

 

買ってよかった?

 

私は日本というのは素敵な国だと思います。

 

だけど、NHKがつくった「ハゲタカ」というドラマの映画で、
主人公のライバルがこんなことを言うんです。

 

「日本は地獄だよ。ぬるい地獄。」みたいな台詞を言います。

 

地獄だと気がつかないうちに、地獄にはまっている、という意味です。

 

 

なんとなく、日本はいい国で、流れのままに生きていればいい。

 

 

そんな空気もありますが、
世界の国から遅れている部分もあるんです。

 

 

他の国よりも優れているところもあれば、
他の国よりも遅れていることもある。

 

 

食品の法整備は、遅れているほうでしょう。

 

これ、2013年の本ですよ?

 

その事実を、もうこれでもかと認識させられる本なんです。

 

この本に出会っていなかったら、
私は何も知らないまま、バカな脳に振り回されている人生だったかもしれません。

 

 

脳と腸の関係。

 

 

それだけにとどまらず、日本という国の現状も知ることができました。

 

 

私も含め、大切なお子さんがいるなら、
大切な家族がいるなら、
絶対に手に入れておきたい脳と腸について書かれた必読の1冊です。

 

 

脳はバカ、腸はかしこい【電子書籍】[ 藤田紘一郎 ]

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