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『拝啓、アスペルガー先生 私の支援記録より』のレビュー

 

『拝啓、アスペルガー先生 私の支援記録より』のレビューと感想になります。

 

タイトル『拝啓、アスペルガー先生 私の支援記録より』
著者 奥田健次
出版社 飛鳥新社
発行年 2014年8月28日

 

少し変わったカウンセラーともいうべき、著者奥田氏の、
発達障害児の支援の記録です。

 

 

子どもたちが変わっていく様子。
子どもたちよりも親が親らしくなっていく様子。

 

必ず『希望』はあることを教えてくれる、良書です。

 

奥田氏だからこそできたこともあるのかもしれないと思いますが、
それでも、変わるときは、一瞬で変わるという事実がわかる一冊。

 

ただし・・・・
正直な、私の感想としては、お母さんもうちょっと頑張れなかったの?

 

 

と言いたくなるような内容も、ありました。

 

では、よかった点を3つにまとめます。

 

 

 

 

 

豊富な具体的事例

 

詰め込めるだけこの書籍に詰め込んだと思える量の、
具体例が入っています。

 

 

発達障害といっても、
かなり症状としては「きつい」ものがいくつもありましたが、
奥田氏によって、一気に解決していきます。

 

具体的事例としても興味深いですし、
子どもたちが劇的に変わっていく様子は、
読んでいて素直に面白いです。

 

薬一辺倒ではない治療

 

治療という言葉が適切ではないかもしれませんが、
子どもの様子を見て、一発で回答を出して行く奥田氏の姿は見事です。

 

薬に頼らなくても、
お父さん、
お母さんにできることで、
きちんと子どもは良くなっていく。

 

 

魔法みたいだけれど、
お母さんの心と子どもの心をつなぐ具体的な方法を、
奥田氏は示してくれています。

 

人に頼らなくていい

 

奥田氏の方法で見事なのは、
人に頼らないということです。

 

教師やまわりに負担をかけずに、
奥田氏の助言と、お母さんや家族、本人の努力で、
解決していく、ということです。

 

これがどれほどすごいことか、
なかなか言葉では言い表せませんがすごいです。

 

 

私も、長く塾業界にいると、
発達障害の診断があろうがなかろうが、
子育てを塾にアウトソーシングしているかのような親が多数います。

 

 

甘えん坊な性格なので塾に入れました。
なんとかできませんか?

 

 

みたいに、性格から塾で変えてほしいという依頼が来ます。

 

 

呆れてしまいますが、
子育てをアウトソーシングする意識の方が増えていけばいくほど、
この発達障害の子の問題は、根本的に解決することはないなと思います。

 

奥田氏の人に頼らずに、
自分たちでできる解決方法を模索していくことは、
今後、ますます重要になっていくのかなと思います。

 

 

 

 

この本のデメリットは??

 

 

この本だけではありませんが、
「学校に行く」ことが大正義の治療目的であり、
「学校に行けた」から、お母さんがたが大喜びしているのは、
少しだけ心配です。

 

 

確かに、不登校になられると不安なのはわかりますが、
塾業界にいる私は、学校に行けば行ったで、悪影響の巣窟なのでは?

 

 

と思ってしまいます。

 

 

特に、中学校は大変です。

 

 

小学校はまだいいのですが、
公立の中学校は、もういろいろ大変です(笑)

 

 

この本の治療方法・指導方法は参考にしながら、
「学校に行くことが絶対」という考えは、それはそれとして置いておいたほうがイイかなと思います。

 

 

買ってよかったことは?

 

 

この本は、本当に「勇気」が出る本です。

 

暴力を振るう子も、
不登校気味だった子も、
朝が起きられなかった子も、

 

 

嘘みたいに、

 

大人しく、
元気に学校に、
朝はしっかり起きる、

 

 

となっていくのです。

 

 

私もたくさんの発達障害の子、その親に会ってきて、
特に、お母さんが疲れて切った目をしていたのが印象的でした。

 

 

この子はこの先どうなるのか・・・・

 

 

そんな心配で、人生が覆われているような目でした。

 

 

でも、ただの塾の教室管理をしている私にできることは多くはありません。

 

 

だから、この本が、当事者の方に与える「勇気」はすごく支えになるんじゃないのかな、と思います。

 

この子たちだってできたのだから、
自分の子も大丈夫。

 

 

そう思うことができたら、
それは絶対に、発達障害の改善の第一歩だと思います。

 

 

発達障害はきっとよくなる!

 

 

そんな勇気が欲しい人に、読んでほしい1冊です。

 

【詳しくはこちら】

 

拝啓、アスペルガー先生 [ 奥田健次 ]

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