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病気にならない15の食習慣のレビュー〜発達障害の常識にとらわれないで〜

病気にならない15の食習慣のレビュー〜発達障害の常識にとらわれないで〜

 

 

 

今回は、『病気にならない15の食習慣』という本をレビューします。
これも、発達障害に直接かかわる本ではありません。

 

けれど、何冊も本を読んできた私は、
発達障害そのものの本よりも、こういった本をたくさん読む方が、
何倍も実践的で役に立つと思っています。

 

書籍データ
タイトル:病気にならない15の食習慣〜楽しく生きる長寿の秘訣〜
著者:日野原重明・天野暁
出版社:青春出版社
発行年:2011年9月15日
(私が手に入れたのは、2017年9月10日の第10刷版です)

 

2011年に販売された本が、
何度も重版を重ねて、2017年にも販売されているんですね。

 

 

それほど、読んだ人に支持されている本です。

 

現代は、なかなか本が売れない時代と言われます。
青春出版社さんは、出版社の中ではめちゃくちゃメジャーな大手、とは正直言えないかもしれません。

 

だけど、60年以上の歴史を持ち、
確かな本をつくっている会社さんというイメージです。

 

その本、1冊1冊が読みやすく、
丁寧につくられている出版社さんで、多くの方に支持されて、
知っている人は知っているという会社だと思います。

 

 

私がよく引用させていただいている、
溝口徹先生の本もこの青春出版社さんから出ています。

 

2週間で体が変わるグルテンフリー健康法

 

>>>>レビューはこちら

 

 

さて、この著者のひとりである、
日野原重明先生はすでにお亡くなりになっています。

 

105歳という長寿を全うされました。

 

日野原先生は、1911年生まれであり、
出身大学は、京都帝国大学というのが、歴史を感じさせます。

 

日野原重明先生の事を調べると、
日本で最初の人間ドックを解説。予防医学の重要性に早くから気づき、終末期医療にも尽力されたそうです。
「成人病」を、「生活習慣病」としたのも、日野原重明先生と言われます。

 

本当かどうかは、わかりませんが、ウィキペディアにはさらに、こう続きます。

 

100歳を超えても、数年先前スケジュールはいっぱい。
日々の睡眠時間は、4時間半であり、
96歳から、睡眠を5時間に増やしたそうです。

 

人に健康を説く先生が、
とても、健康的とは思えない生活をされています。

 

でも、先生は不健康で突っ走ったわけではないんです。

 

人とは違う。
人が信じている医学常識とは違った生き方をしても、
長生きをされた秘密。

 

その「考え方」が書かれているのがこの本なんです。

 

もちろん、具体的な方法も書かれているのですが、
私がこの本を読んで、学んだのは、自分のことは自分の体に聞いて考える、ということなんです。

 

日野原重明先生のこの本の言葉を紹介します。

 

 

常識や通念というものは、すべての人に当てはまるものではありません。大切なのは、そういうものに左右されずに、自分の身体に合った独自のものさしをもつことではないでしょうか?

 

 

 

よくかむと、消化吸収が高まるだけでなく、脳が活性化するのです。
あごの筋肉を動かすと脳の血行が良くなって、頭の働きが良くなるという仕組みです。

 

 

さらに、103〜104の言葉を引用させていただきます。
日野原重明先生の考えは素晴らしいですし、この本が支持を受けた理由がこれだと思います。

 

 

「規範が失われるために病人になるのではなく、ひとつの規範しか受け入れられないために病人になるのである」
これは、20世紀のフランスの生物学者、ルネ・デュボスの言葉ですが、この言葉に私は、健診結果に右往左往する人たちを連想していまいます。
数字は、あくまでもひとつの目安であり、絶対的な規範ではありません。むしろ、それを自分なりに受け止め、自分なりに規範を見出していくことが大切なのです。それが、他人の規範と一致しなくても気に病むことはないのです。
(中略)
つまり、人間にとって、どういう状態が健康であるかという規範はないし、それを形にして示すことはできないということです。健康を保つということは、自分を取り巻く、さまざまな変化に対して、そのつどバランスをとり、心と身体を適応させていくことだと彼は説いているのです。抽象的な言い方になりますが、健康とは日々変化して当然であり、変化しながら保たれていくものなのです。

 

 

これ、健康を「発達障害のない状態」という言葉に置き換えるとわかるとおもいますが、
どれが「発達障害のない状態」なんて決まりはないわけです。
一応、ここからが発達障害だと言える基準はありますが。

 

「発達障害のない状態」というのは、日々捉え方は変化しますし、変化して当然なんですね。

 

さらに、日野原重明先生の言葉が続きます。

 

「こうでなければいけない」という考え方では、健康は保てません。何事にも対応できる柔軟性が大切なのです。

 

発達障害のお子さんで苦労されるお母さんに多いのが、

 

こうでなければいけない。
子どもにはこうあってほしい。

 

そういう決めつけがとても多いように思います。

 

でも、発達障害かそうじゃないかなんて、
どんどん基準は変わっていますし、子どもが生きていく環境も変わっていきます。

 

大事なことは、
自分の思い描く子ども像を押し付けるのではなく、
親自身が変化を受け入れていくことが大事なんだと気づかされます。

 

 

日野原重明先生が、105歳になるまで、
常に、元気で働くことができたのは、食事の仕方もあったと思いますが、
こういった柔らかい考え方をされたきたことが大きいのだと思います。

 

さて、食事の話に戻します。
2011年の本ですから、少し古い内容もあります。

 

例えば、果物。

 

 

果物は腸内環境を整えるから積極的に摂った方がいい、と書かれています。

 

腸内環境を整えるのはもちろんですが、
糖分も過剰に摂取してしまうので、今は、思うよりも、少なく摂取するべきでしょう。

 

それに対して、和食の塩分過剰摂取については、
この時から指摘しています。

 

和食は身体にいい、という、思い込みだけではなくて、
そこに潜む危険性について、きちんと分析できている。

 

 

たったひとつの、わかりやすい言葉に引きずられず、
自分なりの見方をきちんとしていく。

 

 

まさに、日野原重明先生の言葉どおりの考え方、見方だと感じました。

 

 

正しい食事の仕方を探すのももちろん大事ですが、
それをどうとらえて自分のものにしていくか、それを考えるうえでの知識の捉え方。

 

私はこのことを、
この本から学べると思っています。

 

 

では、この本の特徴を3つ、書いていきます。

 

 

1、心

 

基本的に食事の本というのは、
太らない、とか、老けない、とか、そういうところばかり注目されます。

 

  • ダイエット!
  • ぽっこりお腹対策!
  • アンチエイジング!

 

とかのほうが、一般受けがいいからでしょう。

 

 

ですが、この本は、食事による健康の維持、病気を防ぐという観点から話をしていて、
そして、心を元気にしながら生活することへとつなげていきます。

 

日野原重明先生自身、
長生きの秘訣は自分を必要とする人がいて、
その人と仕事をするスケジュールを見るのが楽しい、ということを書かれています。

 

そういう日野原先生だからこそ、
食事によって、健康を維持するというのは、そこが最終の目的ではなく、
健康を維持して、心を豊かにして生きる、ということこそ、目指してほしいということを伝えてくれます。

 

 

大切なお子さんも、そういう人生であってほしいですよね。

 

2、肉の大切さ

 

私は、このサイトを運営して、
なぜか、よくこういうメールをいただきます。

 

 

ひろあさんのこのサイトで、食事の大切さを知りました!

 

やっぱり、健康には、
肉を控えて、野菜と魚ですね!

 

というメールです。

 

私は肉はダメだなんて書いていないのですが、
おそらく、私のサイトをサーっと読んで、
そうか、健康にいいことは、発達障害にもいいんだ!
じゃあ、野菜と魚だ!って、なっているのだと思います。

 

 

1冊でいいから、本を読め、と言いたくなりますが、お肉って大切です。

 

日野原重明先生のこの本でも、
中高年こそ、お肉を食べなさいと言います。

 

本の中でも指摘されていますが、
肉を控えると、逆に太るとういこともあるんです。

 

食べ過ぎはよくありませんが、
なんとなく、身体に悪そうだからというイメージで、
食事をやめたり、ある食品ばかり食べるというのはやめましょう。

 

必ず、複数の書籍を読んで、
きちんとした知識を身に着けたうえで、自分で取捨選択をしましょう。

 

3、天野暁先生

 

私はこの本がいいなと思うのが、
日野原重明先生の執筆部分のあとに、天野暁先生が、
さらに、具体的にこうしましょう、という方法を書いてくれていることです。

 

上でも紹介したように、
日野原重明先生の生き方は、普通の人が真似してしまうと、
病気になってしまう可能性もあります。

 

日野原重明はその頭とその心で、
自分の最適な生き方を知っているように思うのです。

 

それを身につけていった先生の考え方は参考になる一方で、
じゃあ、どうすればいいの?という人もいるでしょう。

 

 

ここを補っているのが、天野暁先生です。

 

 

天野暁先生も、すごい経歴の先生で、
ハーバード大学公衆衛生大学院・日米未病プロジェクトチーム首席研究員。

 

だそうです。

 

チームバチスタの栄光の白鳥さんの肩書みたいですね(笑)

 

未病医学の先駆者でありながら、
私たちがすぐに実践できることを丁寧に解説してくれています。

 

このレベルの本が、1000円未満とか、
そりゃ、日本の出版社、儲かりませんよって思います。

 

今も、食に関する、
最新の●●はこれだ!的な本が出ていますが、
すでに、天野暁先生がほとんど指摘してくれています(笑)

 

この本を読めば、かなりの知識を身につけることができます。

 

 

デメリットは??

 

指示待ちの人には、
ちょっとつらい本かもしれません。

 

こうしましょう!

 

というノウハウ100個欲しいという人には向きません。

 

最終的には、自分の身体に聞きながら、
自分にいいものを見つけていく、という本です。

 

ただ、絶対に生きていく上で必要な自分の芯を持つこと。

 

その考えに触れられるだけでも大きいと思います。

 

 

買って良かった??

 

 

この内容で、1000円しないわけですから、
買わない、という方がおかしい本です。

 

もちろん、第10刷まで重版されていますので、
読んだ人にどんどん支持されているとういことがわかります。

 

 

日野原重明先生が、100歳を超えてもなお元気だったのか?

 

 

それは、誰も知らない健康の本当の秘密・・・・を知っているわけではなく、
どういう生き方をしていたのか、どういうお考えをされていたのか、が大事だとわかります。

 

 

私も、安産祈願に行ったことがあります。

 

 

そこでは、絵馬に「健康で育ってほしい」という、
親御さん方の素直な思いがたくさんありました。

 

 

自分も大切なお子さんも、100歳まで元気で生きられる方法。

 

 

それを学んでおくことって、
発達障害について学ぶことと並んで大事だと思いませんか??

 

病気にならない15の食習慣 (青春新書) [ 日野原重明 ]

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