ひろあのサポートサービス【ひろあ塾】

『発達障害は栄養で良くなる』のレビュー|サリー・カークさんの本気

 

『発達障害は栄養で良くなる』のレビュー|サリー・カークさんの本気が伝わる本です!

 

かなり前に手に入れていたんですが、
レビューが遅くなりました。

 

サリー・カークさんの『発達障害は栄養で良くなる』です。

 

まずは、書籍データから。

 

タイトル:発達障害は栄養で良くなる〜新時代に希望をもたらす未来医療〜
著者:サリー・カーク
監修:内山葉子
訳者:石原まどか
出版社:ヒカルランド
発行年:2019年3月11日

 

やろうと思えばここまでできる。
その内容とサリー・カークさんの子どものための行動力に圧倒される1冊です。

 

まず、この本には発達障害を「奇病」と本の表紙で表現しています。

 

あまり読書をしない方々が、発達障害は病気じゃない!と騒いでいるのをみかけましたが、
DSM−5によればあながち間違いではない。

 

発達障害は、Neurodevelopmental Disordersです。

 

Disorderは、日本語の訳によれば障害もありますが、『病気』とも訳されるわけです。

 

発達障害についてあれやこれやと発言する人が、
たったこれだけのことも知らないということにがっかりしました。

 

 

日本の発達障害をとりまく環境ってこうなんですよね。

 

 

私も発達障害について情報を発信していますが、
本当に専門家という人ほど勉強していない!

 

 

驚くべきレベルで。

 

 

たとえば、DSM−5への警鐘として、
『〈正常〉を救え 精神医学を混乱させるDSM-5への警告』という本が出ています。

 

これは、DSM−5そのものというよりも、
アメリカの精神医学会が行おうとする薬の過剰投与によるビジネスという背景を批判する本です。

 

そこには、DSM−5がWから改訂されるにあたり、
全米で議論が沸き起こったとしています。

 

どの程度のレベルかはわかりません。
けれど、議論になったのです、何かしらのレベルで。

 

日本ではこのDSM−5すら知らない医者・医療関係者・自称専門家がたくさんいます。

 

DisorderとDisabilityの差すらわかっていない。

 

ADHDもASDも発達障害全般について、DSM−5ではDisorderを使います。

 

そして、知的障害をDisorderとDisability、全般的な遅れと3つにわけています。

 

 

知的障害と診断された中には、
やはり能力の欠損が疑われる場合はありますし、
発達がゆっくりな場合もありますし、診断が外れる場合もあります。

 

 

きちんとそれらを分けて考えている。

 

 

なのに、そんなことも知りません。

 

 

過去、私や発達障害についてよく知っている方が、
発達障害には治りやすいものと治りにくいものと治らないものがあるかもしれない。

 

とTwitterで書き込み、
自称支援者っていう方がそれを馬鹿にしました。

 

 

治るも治らないもないと・・・・

 

 

でもね、ちゃんと日本が準拠している診断マニュアルにはそういうふうに読み取れる単語を使っているんです。

 

 

私は医師ではないし、心理なんちゃの資格もありませんが、
きちんと資料には当たるし新しい本をできる限り読んでいこうという思いはあります。

 

 

議論が巻き起こったというアメリカの方々は当たり前のように読む。

 

 

それにたいして、日本の自称なんたらは読もうともしない。

 

DSM−5の訳なんて無料で日本精神神経学会がPDFで公開してくれているのに、です。

 

 

 

おそらく、サリー・カークさんのこの本なんて一切読まないと思います。

 

 

 

この本はそこらへんの医師が書く本よりも何倍も深く、何倍も理論的です。
たくさんの根拠となる論文を提示しながら、発達障害が「治る」という理由とその方法について書かれています。

 

医学的に普遍的な発達障害が「治る」方法がない以上、「治る」が定義されることはありません。
だから、タイトルも「良くなる」止まりですが、ASDの息子さんが健常に戻る過程が書かれています。

 

最初は、お子さんとの日々。

 

それから専門的な話にどんどんなっていきます。

 

ソフトカバーならいくらくらいで何ページ。
ハードカバーならいくらくらいで何ページ。

 

というように決まっている日本の普通の出版社では出せないレベルの本ですね。

 

 

だから、高いし、参考文献もその内容も細かく載せてくれています。

 

 

なんらかの形で発達障害の方や発達障害のお子さんと関わるなら、
このレベルの本は絶対に読まなくてはいけないと思います。

 

そう強く思わせてくれる本です。

 

 

では、3つでは書ききれませんが、この本の3つの特徴を書いていきます。

 

 

1、食事

 

発達障害のお子さんと食べ物の関係性は、以前から指摘されています。

 

私もレビューさせていただいていますが、

 

奥平智之先生
内山葉子先生
藤川徳美先生
澤口俊之先生
溝口徹先生
大森隆史先生
やまもとまゆみさん

 

以上の方たちはいろんな立場から発達障害と食事・栄養の関係について書かれています。

 

そのことがもっと深く理解できる本です。

 

なぜ、食事によって発達障害になるといえる状態になるのか。
何が原因となって発達障害のあの独特な症状を引き起こすのか。
どうして現代は食事にこれだけ気をつけないといけないのか。

 

これが理解できると同時に、
これを意識してこなかったことを後悔すると思います。

 

食事についてだけでも、
この本を買う価値はあります。

 

2、なぜ、発達障害は増えているのか。

 

この理由もわかっています。

 

発達障害がつくられたものだという意見を、
あなたはどこかで聞いたかもしれません。

 

その理由がわかる本です。

 

今まで発達障害と診断されなかった人が、
きちんと病院に行くことで診断されるようになった。

 

が、まあ、私は納得していませんがよくされる説明です。

 

でも、その説明が当てはまらないことをきちんと説明してくれます。

 

食事とつながることですが、
これがわかるだけでもお子さんの未来は明るいと思えるはずです。

 

 

3、ひとりの人・普通の人

 

これを読んで感動するのは、
普通の親御さんがここまでできる、ということです。

 

やろうと思えばここまでのことができるんです。

 

医師でも専門家でもない。

 

ただ、子どもをなんとかしてあげたい。

 

その心がここまでさせるんです。

 

そして、私たちはここまでしなくていい。

 

この1冊を手に入れて、それを読めば、
サリー・カークさんの知識を手に入れることができるんです。

 

 

本当にこの本を出版してくれたヒカルランドさんには感謝です。

 

 

デメリットはある??

 

 

デメリットはあります。
日本の本しか慣れていない方は、
情報量の多さ(文章量の多さ)に驚くでしょう。

 

これはデメリットですが、メリットです。

 

 

それだけの中身が詰まっているということだからです。

 

 

いきなり全部読もうとせずに、
読めるところから1つ1つ読んでいってください。

 

 

買って良かった??

 

これほど感動した発達障害の本を他に私は知りません。

 

 

いい本はたくさんありますが、
ここまで中身が濃く感動させられた本はありません。

 

 

ひとりの親として、サリー・カークさんを尊敬します。

 

 

独りよがりの本ではなく、ちゃんと論拠となるものがあり、それが提示されています。

 

 

徹底的にやるんだという向こうの方の気質がそのまま本になっていますね。

 

ここまでできなくても、
これくらいの本は買って読んでほしいと思います。

 

 

私たちが現代社会をつくり手に入れたものと失ってしまったもの。

 

 

繁栄は手に入れたけれど同時に、発達障害の子どもができやすくなってしまったんです。

 

すべてのものにプラスもマイナスもあります。
これは仕方ないことです。

 

 

ダメなのは、この現代社会の「事実」を知らないことです。

 

 

あなたが知らないのは勉強していないあなたの責任です。
でも、それをお子さんに背負わせてしまってはダメです。

 

 

大丈夫です。

 

 

『発達障害は栄養で良くなる』んです。

 

 

 

怖い話もたくさんありますが、
ちゃんとどうすればいいかその方法もあります。

 

 

恐れず、自分とお子さんのために発達障害の事実と向き合ってください。

 

 

この本はそのための本です。

 

 

発達障害は栄養で良くなる 新時代に希望をもたらす未来医療 [ サリー・カーク ]

 

管理人からのお知らせ