『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』のレビュー
今回は、手に持った写真はありません(笑)
『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』のレビューにいきます。
書籍データ
『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』
著・星野仁彦 幻冬舎 2011年3月30日
発達障害の診断治療の最前線にいる星野仁彦さんの、
渾身の1冊です。
発達障害は、早期発見、早期治療で、かなり改善できます。
保護者が、ちょっとだけ勇気を持って、発達障害の検査・診断・治療を行っていれば、
親の苦労も、発達障害を持つ子供の苦労も大きく減らすことができます。
しかし、現状、そうなっていません。
認めたくない親がほとんど、です。
これは、私も塾という場所にいて、
明らかに発達障害の治療の必要があるのに、なんの対策もされていない子供をたくさん見てきました。
発達障害が増えていることが問題なのではありません。
認めたくない「親」が問題なのです。
発達障害の方が抱える問題の1つが、「親」
それは、遺伝とか育て方、ではなくて、
たった1つ、「相談できない」というただの見栄というところが問題なのです。
早期発見、早期治療が必要。
そんなことはみんなわかっていると思います。
では、どうすればそれができるのか?
発達障害の全般、
ADHD
アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム障害
LD
軽度知的障害
低機能自閉症
愛着障害
といった、複数の発達障害の早期発見の方法が具体的でわかりやすいです。
発達障害が目立つ人は、
複数の発達障害を併発しています。
ADHDやアスペルガー症候群だけではなく、
こういった障害のことを知っておくのも大事ですね。
皆さんは、新書ってどんな感じで読みますか?
私は、新しい知識が知れたらいいなって思って読みます。
知識を得るための本です。
でも、この星野さんの本は、
なんか、心の奥が熱くなるんです。
発達障害で悩む人をなんとかして助けたいんだ。それは、ちょっとのことで助けられるんだ!
星野仁彦さんの、熱い熱い思いが、伝わってくるんです。
何が、ということは書けません。
だけど、行間から伝わってくるというか、
私は、この本を読み、発達障害で悩んでいたり、苦しんでいる人、それが本人だからか、家族だからかはわかりませんが、
なんとかしたいというこの思いが詰まった本を、たくさんの人に手に取ってほしいと思っています。
『発達障害を見過ごされる子ども、認めない親』のデメリットは?
発達障害を持っていて、犯罪に走ってしまった子供、引きこもりになってしまった例、
発達障害の負の面も、この本は隠すことなく書いています。
だから、発達障害の本で、最初にこの本に出会ったなら、不安を持つかもしれません。
でも、だからこそ、言いたい。
今、あなたがこの本に出会えたことは幸運なことであり、
これだけわかりやすく、発達障害の良いも悪いも伝えてくれている星野仁彦さんが今、いらっしゃるのは本当に素晴らしいことです。
そして、不安になっているあなたに伝えたいことがあります。
あなたが発達障害の改善を望むなら、何歳であっても、改善はできる。
ということです。
これだけ、発達障害のことがわかってきているんです。
大丈夫。必ず、あなたが良くなる道はあります。